• 茨城県常総市で業務用生中華麺(生ラーメン)を製造している平塚製麺所

麺をちぢれさせる方法は切刃の出口(下側)にシリコンゴムとゴムを固定する薄い金属板を取り付け、麺を切り出す時に抵抗をかけてあげることです。そうするとちぢれ麺ができます。

ゴムを付けずに切り出したものがストレート麺になります。

 

実は言葉で言うのは簡単なんですが、このシリコンゴムと薄い金属板の調整がなかなか難しいのです。

写真を載せれば分かりやすいのですが、切刃にはカスリという部分があり、そのカスリを押さえる板があります。

それを3本のネジで止めています。ゴムと薄い金属板を取り付けるのは、カスリとカスリ押え板の間です。

まず3本のネジを外しカスリ押え板を外します。そこにシリコンゴムを置き薄い金属板を置きます、その上から先程外したカスリ押え板を置き、3本のネジで止めます。

 

その先がなかなか難しく、ゴムと薄い金属板とカスリ押え板の3枚の重ね具合をミリ単位で調整し、3本のネジの締め具合を決めないと、綺麗なちぢれができません。

ある程度は長年の経験でどうすれば良いかは分かっていますが、実際に切り出してちぢれの感じを見て微調整しなければならないんです。

切り出して調整、切り出して調整、この繰り返しです。

一度決まってしまえば、ある程度の期間はこのまま使えますが、切刃を使っていくうちに徐々にネジが緩みゴムの位置がずれてきたりします。

そうすると綺麗なちぢれができなくなり、その都度調整して使います。

 

具体的に言うと、切刃の両側はストレートで出てきて真ん中はちぢれが付いていたり、ちぢれの掛かり具合がバラバラだったりします。

ちぢれを付けるシリコンゴムと薄い金属版は切刃本体とは別売なので費用もかかります。

またシリコンゴムには薄いもの、厚いものなど厚みの違うゴムが数種類あります。

これはどんな太さの麺、どんな麺生地にちぢれを付けるか、どれくらいの強さのちぢれを付けるかということを考えて使い分けます。

 

私の父はもう50年近く麺を製造しているベテランの職人ですが、その父でもちぢれの調整は今でも難しいと話しています。

そうは言っても父の場合は慣れているので短時間で調整をしてしまいますが。

なにげなく見ている、ちぢれ麺なんですが実はとても奥が深いのです。

ストレート麺よりもかなり手間がかかります。

 

綺麗なちぢれ麺には細かな職人技が込められています。